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福祉用具専門相談員に必要な病気の知識

第1回 脳卒中
「福祉用具専門相談員に必要な病気の知識」、第1回は「脳卒中」です。
認知症に次いで要介護認定者に多い病気で、脳の血管が破れたり詰まったりすることで、脳に血液が届かなくなり、脳の神経細胞がダメージを受けることで、運動機能が低下したり、感覚が無くなったりなどの障害が出てきます。脳卒中は大きく、以下の3つのタイプに分かれます。
いずれも介護保険で「特定疾病」に指定されており、40歳以上の患者であれば、要介護認定を受けることで、介護保険を利用することができます。

①脳梗塞(のうこうそく)
脳卒中全体の約80%と大多数を占めます。
脳の血管がつまり、その先に血液が流れなくなることで、脳細胞が死んでしまう病気です。原因は高血圧や動脈硬化で、糖尿病や心臓病の人に多い病気です。
血管の詰まり方によって「ラクナ梗塞」「アテローム血栓症」「心原性脳梗塞栓症」の3種類があります。

②脳出血(のうしゅっけつ)
高血圧などが原因で脳の血管にできた「脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)」が破裂して、脳細胞が流出した血液によって死んでしまうと言う病気です。動脈硬化(どうみゃくこうか)も原因です。脳卒中全体の約15%を占めます。

③くも膜下出血(くもまくかしゅっけつ)
「脳動脈瘤(のうどうみゃくりゅう)」と呼ばれる、血管の膨らみの破裂により、脳の表面全体が血液にさらされます。比較的中年層に多く、死亡率が高い病気です。高血圧と動脈硬化(どうみゃくこうか)が原因のケースが圧倒的です。脳卒中全体の約5%を占めます。

 

福祉用具専門相談員に必要な病気の知識

脳卒中による主な障害
①片麻痺
右脳もしくは左脳の神経障害により、身体の左右どちらかに麻痺を発症する症状を言います。
右脳、左脳はそれぞれ、脳の位置と反対側の身体の動作を制御しており、右脳が脳卒中になると「左片麻痺」、左脳が脳卒中になると「右片麻痺」を発症します。
福祉用具選定の際には、「麻痺のない側(健常側)だから大丈夫!」ではなく、「麻痺のない側(健常側)は問題ないか?」の視点で状態把握を行った上で選定を行うことで、転倒等のリスクを下げることができます。

②感覚障害
感覚障害は「感覚麻痺」とも言われ、表在感覚の障害と深部感覚の障害の2タイプに分類されます。
【表在感覚の障害】
触覚や痛覚、温度覚は「表在感覚」とされ、この感覚に障害がある場合、福祉用具に手足を挟み込んだりしても感覚が無く、痛みを感じずらいケースがあるため、表在感覚に麻痺のある方に可動部が多い福祉用具を導入する際には、挟み込みや見守りの有無など、重大に事故につながらないよう機種の選定をしましょう。
【深部感覚の障害】
位置覚や運動覚は「深部感覚」と呼ばれ、自身の関節の曲がり具合や曲がっている状態を常に感知しています。この感覚に障害がある場合、麻痺側の腕や足がどこにあるか分からず挟み込みの原因となります。
福祉用具導入の際には、介護ベッドの場合であれば、挟み込みしずらい構造や、操作リモコンを置く位置を、挟み込みがしずらい位置にするなど、実際の使用を想定しての設置が大切です。

③平衡反応の障害
脳卒中などの脳にダメージが加わる病気では、身体のバランスが取りずらくなり、転倒しやすくなります。「傾斜反応」と呼ばれる体の傾きを補正するや、「踏みなおし反応」のように、躓いた際に足を出して転倒しないようにする反応が無くなったり弱くなったりすると、転倒などの事故が発生しやすくなります。
福祉用具や住宅改修で、段差解消スロープの導入や敷居撤去などの転倒予防対策を十分に行うことが大切です。

④高次脳機能障害
脳の損傷を原因とする認知障害全般のことを言い、脳卒中を発症した人の65%にこの障害が出ると言われています。
主に、「記憶障害」「注意障害」「遂行障害」「社会的行動障害」の症状が出ると言われており、その中でも注意障害の一つと考えられている「半側空間無視」は、視界の一部が「見えてはいるが、認識できない」状態となることから人や物にぶつかる確率が高くなります。
福祉用具導入の際には、「生活動線上に無駄な物を置かない」などの注意点の他、車椅子などの操作が必要な機器を使用する際には操作練習を繰り返し、習慣化を図るなどの工夫が必要です。

 

【参考】
株式会社バリオン・金澤善智先生発行の
ニュースレター「バリオン・プレゼンツ」