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【介護】介助に活かす動作分析~不良座位姿勢

介助にいかす動作分析

不良座位姿勢
不良座位姿勢を直すことで、より生理的に無理のない健康的な生活を送れます。
その姿勢を評価するうえで、大事なポイントは骨盤です。

Ⅰ. 最適な座位姿勢 Ⅱ. 不良座位姿勢
(仙骨座り)
Ⅲ. 立位姿勢

Ⅰ.最適な座位姿勢

座り心地の良い、機能的、移動が容易、生理的にかなった外観も良い、介護しやすい姿勢。
頭部は脊柱(※1)の垂直線上にあり、骨盤(※2)が中間位にあります。これは坐骨結節(※3)で荷重を受けることで褥瘡(※4)のリスクを減らします。

Ⅱ.不良座位姿勢

イスに座って骨盤を後傾させると 脊柱の前湾(背中の丸まり)が大きくなります。
頸椎はストレートネック状態になります。高齢者や障がい者では、体幹筋群の筋力低下により腰椎だけでは適切な姿勢保持ができず体幹が崩れていきます。

Ⅲ.円背による身体機能への悪影響

①【腰背部痛】背中が丸くなり腹筋が緩み背筋が伸びた状態で筋疲労しやすくなります。
②【頸部痛 肩こり】頸椎は伸展(ストレートネック)(※5)状態
③【膝痛】骨盤の後傾により膝の伸展が制限され立位・歩行時に膝の負担大。
④【褥瘡】仙骨座り(※6)となり、仙骨部に褥瘡が発生しやすくなる。
⑤【内臓圧迫】背中が丸くなることで内臓が圧迫され、呼吸も浅くなる。
⑥【つまづき】膝が曲がることでつま先が上がりにくくなり、つまづきやすくなる。
⑦【転倒】重心線が支持基底面(※7)の中央から遠ざかるため転倒しやすくなる。
⑧【横向き寝】上を向いて寝ることが困難。骨盤が歪み新陳代謝・リンパの流れ悪くなる。


※1【脊柱(せきちゅう)】背骨のこと。多数の骨の連結で屈曲可能。上は頭骸骨、下は骨盤につながる。
※2【骨盤(こつばん)】腰骨のこと。寛骨(坐骨)、仙骨、尾骨に囲まれ内臓を保護している。
※3【坐骨結節(ざこつけっせつ)】座った時にイスの面に接し体重を支える部分にあたる骨。
※4【褥瘡(じょくそう)】床ずれのこと。同じ体勢で寝たきりになった場合、血行が不全となり周辺組織が壊死(えし)を起こすもの。
※5【伸展(ストレートネック)】頸椎の生理的前湾角度30度以下の首の状態(30~40度が正常)
※6【仙骨座り(せんこつすわり)】浅く腰掛け骨盤が後傾して薦骨が座面に当たる座り方。
※7【支持基底面(しじきていめん)】身体を支える基礎となる底の面。通常は両足の裏。重心がその内側に入っていないとバランスを崩しやすい。
【文】大谷道明 (株)総合リハビリテーション研究所 理学療法士 博士(保健学)
【参考文献】
  吉川和徳、光野有次著「シーティング入門」中央法規 2007
  廣瀬秀行、木之瀬隆著「高齢者のシーティング」三輪出版 2009